車載電子制御システムの進化とモデルベース技術による生産性向上

10:00–10:40

電子制御システムが普及し始めた90年代から現在、そして、将来のモビリティー社会に至るクルマを取り巻く環境の変化と、変化に追従するための「生産性向上」・「働き方改革」について、「モデルベース開発を軸とした設計技術」の観点から紹介する。

  • 電子制御システム普及期の課題への対応 - ボトムアップ型開発とモデルベース開発
  • 電動化、情報化、知能化時代の車両電子制御開発のあり方と課題 - トップダウン型開発へのモデルベースの活用

トヨタ自動車株式会社
電子制御基盤技術部 室長
磯村 俊郎 様


日本発の空飛ぶクルマ“SkyDrive”の開発

13:00–13:40

ドローンや自動運転技術の進展を背景に、世界各国で空飛ぶクルマの開発が加速している。本講演では日本発の空飛ぶクルマ“SkyDrive”の紹介および最新の開発状況や実験の様子について動画を交えて紹介する。あわせてそれを作る有志団体CARTIVATORの歴史やプロジェクトの進め方を紹介したい。オールジャパンの有志団体として、組織の垣根を超え、様々な業界からエンジニアが集まりオープンにプロジェクトを進めている動きは、本団体の特徴的な部分である。

また、今後の有志団体という組織の枠組みや限られたリソーセスで空飛ぶクルマを開発していくにあたりMathWorksの製品群を用いたMBDの有用性についても言及する。

CARTIVATOR
代表
中村 翼 様

CARTIVATOR
R&D チーム チームリーダー
山本 賢一 様

物体認識の高速化・省メモリ化のための整数基底分解法

10:40–11:20

画像認識を実用化しようとするとき、必ず問題になるのが処理速度である。車載アプリケーションにおいては、限られた電力・計算リソースで高度な認識処理を実施する必要があるため、アルゴリズムの設計段階で本質的な高速化が望まれる。

そこで本講演では、株式会社デンソーアイティーラボラトリが取り組んできた高速化・省メモリ化技術である「整数基底分解法」について紹介する。これは、浮動小数点演算の大部分をビット演算に近似変換する技術であり、ディープニューラルネットワークを含む多くの機械学習に適用可能な手法である。弊社研究開発グループでは研究開発を遂行するにあたりMATLAB®を積極的に活用しており、その活用方法について併せて紹介する。

株式会社デンソーアイティーラボラトリ
研究開発グループ シニアリサーチャ
安倍 満 様


MATLAB/Simulinkと連携したLiDARシミュレータの活用事例

14:30–15:10

当社では、自動運転の実現に必要な技術開発を行っている。自動運転の実現には、周囲にあるオブジェクト(車や障害物など)の位置を正確に把握することが重要であり、3D-LiDARがその役割を担う。この3D-LiDARは、レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し、周辺の状況を立体的に把握できる走行空間センサである。

当社は、さまざまな顧客ニーズに応えるべく、視野角、解像度の異なる複数タイプの3D-LiDARを開発している。複数プロジェクトにおいてスピーディーに対応するには、実機試作前のシミュレーションが必須であり、MATLAB®/Simulink®と連携するLiDARシミュレータを導入した。

当社におけるLiDARシミュレータの活用事例として、MATLAB/Simulinkによるシミュレーション設定例、3D-LiDAR走査パターンのモデル化、シミュレーション結果の可視化について、デモ映像を交えて紹介する。また、LiDARシミュレータによる点群データセットの生成、 機械学習による物体識別アルゴリズム開発の取組みについても紹介する。

パイオニア株式会社
研究開発部 第4研究部
松丸 誠 様


燃料電池車の水素供給マネージメントシステムの検討

16:00–16:40

株式会社アツミテックは現在市販されている燃料電池車の高圧タンク(70MPa)を次世代の水素貯蔵として期待されている水素吸蔵合金タンク、および水素吸着材料タンクのハイブリッドタンクシステムとして提案してきた。

このシステムにおいて重要な技術課題は車載性が良く、コンパクトな偏平タンクと必要最小限のサイズ、高圧水素充填(10MPa程度)のプリチャージタンクが車輛の種々の運転状況に対応可能か?という検証である。この課題に対し、水素吸蔵合金、水素吸着材料の水素放出特性を実際の材料を用いて測定を繰り返し、流体解析プログラムを用いた理論式とのコリレーションを行いながらモデル化し、MATLAB®/Simulink®及びPowertrain Blockset™やSimscape™を用いて車輌モデルを作成し、水素供給マネージメントシステムの検証を行った。更にはスケールモデルではあるが実際の材料を用いたタンクを作成し、HILS(疑似)による水素放出の追従性と水素供給マネージメントの検証も行った。

株式会社アツミテック
環境技術センター センター長(執行役員)
内山 直樹 様

AIを活用したセンサーデータ解析

11:20–11:50

手元にあるデータをAI(Artificial Intelligence)を用いて様々な意思決定に生かす仕組みづくりが盛んです。

本セッションでは、故障予測や異常検出などの具体的なアプリケーションにつながる「エンジニアリング・データアナリティクス」の代表例である「センサーデータ解析」を事例にとり、MATLAB®上でのAI(ディープラーニングや機械学習の応用)ソリューションのワークフローを以下の順序に従い、デモや新機能の情報を交えながらご紹介します。

  • MATLABを使った簡易的な解析
  • 学習モデルのパラメータ調整
  • 学習モデルのスタンドアロン化

MathWorks Japan, 吉田 剛士


UAV/AGV、空飛ぶクルマ開発に向けたMathWorksソリューション

13:40–14:10

近年、UAV: Unmanned Air Vehicle(無人航空機)は防衛・研究のみではなく、商用での活用が増加しており、関連の技術開発が急速に加速しています。UAVから派生した空飛ぶクルマとしての開発も多く見受けられます。また主に工場内で用いられるAGV: Automated Guided Vehicle(無人搬送車)も一部同様の技術で開発が行われています。

これらUAVやAGV、空飛ぶクルマでの開発においては、マルチドメインかつ自律システムの開発に関するチャレンジが増えています。エンジニアは統合システムとしてメカ・エレキ要素やセンサー・知覚アルゴリズムの振る舞いを考慮し、組み込みソフトを実装する必要があります。

本セッションでは、UAVやAGV、空飛ぶクルマの開発におけるモデルベースデザイン(MBD)適用に向けたMATLAB®/Simulink®の適用や課題に対するソリューション、航空宇宙業界版のISO 26262であるDO-178Cへの対応や、昨今注目されているセキュリティ対策などの概要を幅広くご紹介します。

MathWorks Japan, 能戸 フレッド


ADAS・自動運転の開発と検証を加速するMATLAB

15:10–15:40

ADAS・自動運転の開発が盛んに行われ、その実現には、あらゆる技術が必要であり各分野の技術者が円滑に使用できる開発環境が求められています。

本セッションではAutomated Driving System Toolbox™を中心に画像・LiDARデータの可視化、機械学習を含む認識アルゴリズムの開発、様々なテストシナリオの作成と検証に至るまで、統合開発環境としてのMATLAB®についてご紹介します。

主な内容:

  • カメラ・レーダーからのオブジェクトリストや区画線の検出結果、LiDARからの点群データ等様々なデータの可視化機能
  • 自動運転に関連する画像処理(鳥瞰図変換、区画線検出、車認識 等)や各種カルマンフィルタを用いたトラッキングアルゴリズム
  • 半自動ラベリングアルゴリズムを搭載したラベリングツール
  • 道路や複数車両・走行軌跡を定義し、車両上のセンサモデルからの出力をシミュレーションできる、テストシナリオ作成機能

MathWorks Japan, 大塚 慶太郎


Powertrain Blockset新機能およびR2018a新製品Vehicle Dynamics Blocksetご紹介

16:40–17:10

パワートレイン制御や車両制御、ADAS/自動運転の制御対象となるプラントのモデリングを支援するプラントモデリングツール

  • パワートレインのモデリングに特化したPowertrain Blockset™
  • 車両のモデリングに特化したVehicle Dynamics Blockset™

をご紹介します。

Powertrain Blocksetには、自動車のパワートレインシステムのサンプルモデルが用意されており、また、システムを構成するエンジン 、トランスミッション、モーター、バッテリー、コントローラなどがコンポーネントライブラリとして含まれています。当セッションではPowertrain Blocksetのプラントモデルを活用した制御ロジックのチューニング事例と、自動パラメータライズ機能などの新機能をご紹介します。

また、車両運動を仮想3次元環境でモデル化およびシミュレーションするためのVehicle Dynamics BlocksetはR2018aでリリースされた新製品です。車両のサンプルモデルが含まれているだけでなく、車両運動のモデリングを支援するブロックライブラリにより、車両モデルのカスタマイズが可能で、HILでの利用も可能です。またADAS/自動運転の画像処理アルゴリズム開発などに利用可能なゲームエンジン「Unreal®」とのインタフェースも備えています。

MathWorks Japan, 宮川 浩